サラリーマンの生涯収支と老後資金についての考察【ひと息】

ひと息:首都圏における住居費の実態と生涯コスト

第4回で、サラリーマン世帯の毎月の平均支出を取り上げ、住居費を約1万6,827円とご紹介しました。しかし、これは全国平均であり、特に首都圏における実際の住居費はこれより高額になる傾向があります。今回は、首都圏における住宅取得および賃貸の場合の住居費を詳しく見ていきましょう。


1. 首都圏における賃貸住宅の家賃相場

首都圏、特に東京都内の家賃相場はエリアや間取りによって大きく異なります。以下に、東京都23区内の2LDK物件のエリア別平均家賃相場を示します。 

エリア 平均家賃相場(2LDK
千代田区 29.30万円
中央区 26.69万円
港区 35.73万円
新宿区 26.95万円
渋谷区 33.56万円
文京区 23.51万円
足立区 12.93万円
江戸川区 13.48万円
江東区 22.62万円
荒川区 19.06万円
葛飾 12.63万円
台東区 21.54万円
墨田区 18.73万円
品川区 24.30万円
目黒区 28.41万円
大田区 17.49万円
世田谷区 20.46万円
中野区 19.53万円
杉並区 20.44万円
練馬区 14.39万円
豊島区 22.32万円
北区 18.06万円
板橋区 14.83万円

例えば、港区の2LDK物件の平均家賃は約35万7,300円となっており、年間では約428万7,600円、38年間では約1億6,297万8,800円となります。一方、足立区では年間約155万1,600円、38年間で約5,894万800円となります。ホームズ


2. 首都圏における住宅購入費用の平均

首都圏で土地付き注文住宅を購入する場合の平均価格は約5,133万円とされています。これに加えて、諸費用(登記費用、仲介手数料、ローン手数料など)が物件価格の約6~8%程度かかるとされています。仮に7%とすると、約359万円の諸費用が発生し、総額は約5,492万円となります。Re-estate

この金額を35年ローン(金利1.0%)で組んだ場合、毎月の返済額は約14万6,000円となり、年間約175万2,000円、35年間で約6,132万円の返済総額となります。


3. 賃貸と購入の生涯コスト比較

上記のデータをもとに、賃貸と購入の生涯コストを比較してみましょう。

(1) 賃貸の場合

  • 港区:​年間約428万7,600円 × 38年 = 約1億6,297万8,800円
  • 足立区:​年間約155万1,600円 × 38年 = 約5,894万800円

(2) 購入の場合

  • 総支払額:​約6,132万円(35年ローン返済総額)

※ただし、購入後も固定資産税や修繕費などの維持費が別途必要となります。


4. まとめ

  • 賃貸の場合:​エリアによって大きく異なり、港区では約1億6,298万円、足立区では約5,894万円の生涯家賃支出が見込まれます。
  • 購入の場合:​総支払額は約6,132万円となりますが、別途維持費が必要です。

住居費は生涯にわたる大きな支出項目であり、エリア選びや購入・賃貸の選択によって大きく変動します。自身のライフスタイルや将来設計に合わせて、最適な住まい方を検討することが重要です。

5. それで、結局は

前回定年時の資産(残資産+退職金)は7,738万円~1億1883万円になります。これから、住居費を引くと

  • 港区賃貸の場合、マイナスとなります(平均では住めない場所ですね)
  • 足立区賃貸の場合、1,844万円~5,989万円
  • 購入の場合、1,606万円~5751万円

住宅費用が、老後資金に大きく影響します。社宅や官舎に安く住めたり、購入した自宅が定年まで資産価値が落ちなかったり上がったりすると、定年時に1億円超えは達成しているでしょう。

サラリーマンが定年時に1億円手に出来るかどうかは、住宅費用にかかっていますね。


次回:「年金の実態と受給額を知る」へ続く