サラリーマンの生涯収支と老後資金についての考察【その7】

第7回:年金の実態と受給額を知る

老後の生活設計を考える上で、公的年金の受給額を正確に把握することは非常に重要です。今回は、国民年金と厚生年金の平均受給額や計算方法について詳しく解説します。


1. 公的年金の種類と概要

日本の公的年金は、大きく分けて以下の2種類があります。

  • 国民年金(基礎年金):​20歳以上60歳未満のすべての国民が加入する年金制度です。 

  •  厚生年金:​会社員や公務員など、給与所得者が加入する年金制度で、国民年金に上乗せされる形で支給されます。


2. 国民年金の平均受給額

国民年金の受給額は、保険料の納付期間に応じて決定されます。満額受給するためには、20歳から60歳までの40年間(480カ月)すべての期間で保険料を納付する必要があります。しかし、実際には未納期間や免除期間がある場合も多く、平均受給額は満額よりも少なくなる傾向があります。 

令和5年度のデータによれば、国民年金の平均受給額は以下のとおりです。

  • 男性:​月額約5万9,965円 

  • 女性:​月額約5万5,777円

これらの金額は、保険料の納付状況や加入期間によって個人差があります。


3. 厚生年金の平均受給額

厚生年金は、給与額と加入期間に応じて受給額が決定されます。令和5年度のデータでは、厚生年金の平均受給額は以下のとおりです。

  • 男性:​月額約16万6,606円

  • 女性:​月額約10万7,200円

 

これらの金額には、基礎年金(国民年金)分も含まれています。なお、受給額は個人の給与水準や加入期間によって大きく異なります。 


4. 年金受給額の計算方法

自分の年金受給額を把握するためには、以下の計算方法を理解しておくことが重要です。

(1) 国民年金

国民年金の年間受給額は、以下の式で計算されます。

年間受給額 = 781,700円 × (保険料納付月数 ÷ 480カ月) 

※781,700円は2020年度の満額受給額です。

 

(2) 厚生年金

厚生年金の年間受給額は、以下の式で計算されます。

年間受給額 = 平均標準報酬月額 × 0.005481 × 被保険者期間の月数

※平均標準報酬月額は、在職中の給与額の平均値です。

 


5. まとめ

国民年金の平均受給額:​男性で月額約5万9,965円、女性で月額約5万5,777円

✅ 厚生年金の平均受給額:​男性で月額約16万6,606円、女性で月額約10万7,200円(いずれも基礎年金を含む) 

✅ 受給額の計算方法:​国民年金は納付期間、厚生年金は給与水準と加入期間により決定

 

サラリーマン家庭ですので、夫婦だと厚生年金+国民年金(あるいは厚生年金)になるでしょう。そうすると、大体ですが、222,383円/月(16万6,606円+5万5,777円)になります。

次回は、**「定年後の生活費はどのくらい必要か?」**について詳しく解説します!

 


次回:「定年後の生活費はどのくらい必要か?」へ続く