サラリーマンの生涯収支と老後資金についての考察【その1】

第1回:サラリーマンの生涯収入はいくらか?

老後資金に不安を抱えている方は多いかもしれません。しかし、実際にサラリーマンとして定年まで働いた場合、一体どれくらいの収入を得ることができるのでしょうか?

今回は、「サラリーマンの生涯収入」をデータをもとに計算し、実際の収入額を明らかにしていきます。


1. 生涯収入とは?

生涯収入とは、一生のうちに労働によって得られる収入の総額を指します。一般的に、給与や賞与(ボーナス)を含めた金額が対象となりますが、今回は退職金を除外して計算します。

2. 学歴別の生涯収入

サラリーマンの生涯収入は、学歴によって大きく異なります。以下は、日本の平均的な生涯収入のデータです。

【男性の生涯収入】(退職金を除く)

  • 中学卒:約1億9,400万円

  • 高校卒:約2億500万円

  • 高専・短大卒:約2億960万円

  • 大学・大学院卒:約2億6,190万円

【女性の生涯収入】(退職金を除く)

  • 中学卒:約1億4,610万円

  • 高校卒:約1億4,960万円

  • 高専・短大卒:約1億7,250万円

  • 大学・大学院卒:約2億1,240万円

※ 出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計 2022年版」

このデータから、大学・大学院卒の男性であれば、定年まで働いた場合に約2億6,190万円の収入が見込めることが分かります。

3. 企業規模による違い

学歴だけでなく、企業規模も生涯収入に影響を与えます。

【男性・大学卒の企業規模別生涯収入】

  • 大企業(従業員1,000人以上):約3億1,620万円

  • 中堅企業(100〜999人):約2億5,760万円

  • 中小企業(10〜99人):約2億2,530万円

【女性・大学卒の企業規模別生涯収入】

  • 大企業(従業員1,000人以上):約2億4,080万円

  • 中堅企業(100〜999人):約2億300万円

  • 中小企業(10〜99人):約1億9,850万円

※ 出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計 2022年版」

このように、大企業に勤務するほど生涯収入が高くなる傾向にあります。

4. ボーナスの影響

サラリーマンの収入には、月給だけでなくボーナス(賞与)が含まれています。生涯収入の金額には、月々の給与(きまって支給する現金給与額)と年間賞与(ボーナス)の合計が反映されており、退職金は含まれていません。

企業の業績や業種によってボーナスの金額は異なりますが、年2回のボーナスがあることで生涯収入の差が大きくなることが分かります。企業の給与制度をよく確認することが重要です。

5. まとめ

今回のポイントは以下の通りです。

大学・大学院卒のサラリーマン(男性)は、定年まで働くと約2億6,190万円の生涯収入が見込める。
企業規模が大きいほど生涯収入も増加する。大企業勤務なら3億円超えも可能。
ボーナスは生涯収入に含まれており、退職金は含まれていない。

この生涯収入が実際の生活費や老後資金にどのように影響するのか? 次回は「退職金」について詳しく見ていきます!


次回:「退職金はどのくらいもらえるのか?」へ続く